俺様社長と溺愛婚前同居!?

「そんなわけないだろう。言っていなかったが、俺たちはそういう仲だったんだよ」

「そういう……仲……っ!?」


 どういう仲ですか? と聞きたくなって、賢人さんのほうを見ると、にこっと微笑みかけられる。

 その甘いスマイルを向けられると、どうも胸がきゅんとしてしまって何も言えなくなった。


「そういうわけだから、これからは結花のことを口説くなよ」

「いやいや、皆さん口説くとか、そういうのじゃ……」


 皆をフォローするつもりでそう言ったのに、賢人さんは私の顔を笑顔のまま見つめてくる。


 目が……笑って、ない……。


 怒りのオーラを感じとって、私は身を縮こませた。


「おめでとう……結花ちゃん」

「まさか社長が結婚なんて……ヤリが降りそう」

「あああ……」


 いろいろな反応をもらいながら、私たちは祝福を受ける。そのままランチタイムになったのだけど、今日はいつもより静かな気がした。

 空気が澱んでいるような……?

 皆、私と賢人さんが不釣り合いだから、怪しんでいるんじゃ……。



 本当のことを勘付かれるのではと怯えていると、社長室へと呼び出された。


「結花、こっちに来い」

 いつもの無表情の顔で私を見据える賢人さんのもとへ、恐る恐る近づく。

 彼の前にたどり着くと、足を止めて彼の顔を覗き込んだ。
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