俺様社長と溺愛婚前同居!?
――俺が本気になったら、どうするだろう?
今ここでキスをしたら、男として意識するのだろうか?
ふわふわのピンクの唇を見つめて、本能に揺さぶられる。
結花は、誰とも付き合ったことがないと言っていた。
うちの社員たちに好かれていても、本人は全く気づいていない。ただ親切にしてもらっているだけだと思っている。
川崎も、京本も、櫻井も、どの男も結花のことを狙っている。隙があれば、取り付こうと企んでいる。それなのに、全然気づいていない。
最初はわざとなのかと思っていたが、そうではないらしい。
無自覚で、鈍感。
男なんて下心の塊なのに、そんなことも知らずに。
だから毎回、結花が男に口説かれていると腹を立てていた。
もう少し警戒しろと注意したこともあった。それがまさか、嫉妬だとは思わなかった。
目の前にいる彼女を独り占めしたいと思い始めていることに、今気づいた。
「どう……ですか?」
どうもこうもない。
味は美味しいに決まっている。最初に食べたときから、結花の料理はどれも美味しい。
心をこめて作られているから美味しくて、疲れが癒されていく。