俺様社長と溺愛婚前同居!?
「賢人さん、ご飯できたよ」
「ありがとう、すぐ行くよ」
椅子から立ち上がり、部屋の扉を開ける。
エプロンをつけた結花が俺のことを不安そうに見上げている。
存在ごと可愛すぎる彼女を目の前にすると、すぐに手を出したくなるが、ここは我慢。
ふわふわの白い頬に手を添えて、指先で撫でる。
「……んっ」
くすぐったさに目を閉じる結花の反応を見て、ぐらりと揺れる。
手……は出さないが。
少しだけ。
猫を愛でるみたいに、結花の頬を撫でる。その柔らかさを堪能したあと、離れがたくなる気持ちを抑えながら手を離す。
「行こうか」
「…………はい」
結花は知らないだろう。
俺がこんな気持ちを隠し持っていることを。