俺様社長と溺愛婚前同居!?

 それなのに、私ときたら……女子力低すぎ。

「何を今さら。結花の家に行ったときも、そんな格好だっただろ。すっぴんも見たことあるし」

「あ、そうだったね」


 以前に賢人さんがうちに来たときは、突然の訪問だったからお風呂上がりで顔を合わせていたことを思い出した。あのときと同じ格好だった。

「あっ」

 クイーンサイズのベッドの奥、カーテンの隙間から見える夜景に目を奪われて、窓のほうに駆け寄る。

「きれーい! ここの夜景、すごいね。ロマンティック……!」

 大きな窓から見えるのは、キラキラと輝く東京の街並み。東京タワーも忙しそうに走っている車も宝石のように煌めいている。


「確かに、綺麗だよな」

「うん。こんなの見たの初めて……。素敵だな」


 窓に張り付いて眺めていると、ベッドから抜け出した賢人さんが私の背後にやってきた。


「結花、まだ少し髪が濡れているじゃないか」

「え、うそ。あれ?」

 自分では乾かしたつもりだったけど、半乾きだったよう。賢人さんは私の髪を指ですくって、濡れているところを撫でた。


「こっちおいで。乾かしてやる」

「え、いいよ。自分でやるよ?」

「いいから、おいで」

 奥の寝室からタオルを取ってくると、賢人さんはベッドの端に腰掛け、大きく脚を開いてその間に私の体を座らせた。

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