好きになってくれない人へ。
まさか、そんな前から私の事を知っていたなんて。


「さっきから気になってたんだけどさ、先輩カメラは?」
「えっ……あ、」


春輝に言われて、カメラを持っていない事に気づいた。


「あー、多分教室に置いてきたかも」
「えっ、大丈夫なの?」
「大丈夫でしょ」
「えー、ま。先輩が言うなら……」


この時の私はカメラを忘れた事を深く考えずにいた。
その後、何が起きるのか私は知る由もない。


★★★★★


次の日、私は蓮より先に学校に向かった。
教室はいつもより騒がしく、というより不穏な空気が廊下まで伝わっていた。
何か起きてるんだなと思いながら教室に入ると、クラスメイト達が私に視線を送った。
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