好きになってくれない人へ。

「おはよう、え。どうしたの?」


訳も分からずにいると、近くにいたクラスメイトの1人が声をかけてきた。


「あのカメラって、桜来ちゃんのだよね?」
「え……」


その子が指をさした方を向くと、私の席にボロボロになったカメラが置いてあった。


「え、何これ……」


まるで誰かに叩き壊されたかのように、カメラの部品があちこちに飛び散り、画面にはヒビがはいっていた。


「なんで……」
「その、朝練の時に教室に来たら、他のクラスの女子達が桜来ちゃんの席の周りにいたから多分……」


その話しで、このカメラを壊したのが誰かすぐに分かった。
まるで、「アンタが悪いのよ」と言われているような気がする。
よりによって、このカメラを壊されるなんて。
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