好きになってくれない人へ。
ここで泣いたら負けだ。
私は壊れたカメラを抱えて教室を後にした。


★★★★★


私は家に帰り、自分の部屋に篭っていた。


「そうだよね……直すの難しいよね」


カメラ関係の知り合いに連絡を取って、カメラを直せるかどうか聞いてみたけれど、今のところ、ここまで壊れたカメラを直せる人はいなかった。


「……どうしようかな」


壊れたカメラがまた別のカメラだったらスッパりと諦めがつくのに、このカメラだけはそういうわけにはいかない。
でも、もうツテはない。

壊れたカメラを見るだけで、涙が溢れてきた。
すると携帯に電話がかかり、相手を確認すると春輝からだった。


「……もしもし」
「あ、先輩?」
「どうしたの? 何かあった?」
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