好きになってくれない人へ。
ある程度写真を撮り終え、帰る支度をしていると春輝が声をかけてきた。
「先輩、この後って用事ありますか?」
「用事? べつに無いけど」
「なら! 花火大会いきませんか?」
「花火大会?」
「今日、この近くで花火大会があるらしいんですけど、せっかくなんで一緒に見ましょうよ!」
花火大会……。
ここ何年か行ってないな。
「いいよ、せっかくだしね」
春輝の誘いにのると、嬉しそうに笑った。
「花火大会まで時間があるし、ご飯食べに行きましょ!」
やっぱり私は、春輝が嬉しそうに笑うこの顔に弱い。
らしい。
★★★★★
「うわ、やっぱり人の数が多いですね」
花火大会が開催される場所に向かうと、たくさんの人で賑わっていた。