好きになってくれない人へ。
まだその話しを引きずるのか。
「着たくないって駄々こねたの」
「うっわ、まじか……」
いや、だからそこまで言わなくても。
蓮に「お前も何か着ろよ。集客のために」って言われたけど、私は断固拒否をした。
猫耳だけでも十分に恥ずかしいのにあんな服まで着るとか考えられない。
文化祭の衣装だから、安いコスプレ服をアレンジした物かなと思っていたけれど、茉心の考えたデザインを見て私には無理だと判断した。
「あんなフリフリの服恥ずかしくて着れないよ」
「見たかったのに……」
「絶対にイヤ」
誰になんと言われようと私は絶対に着ない。
作業の途中で、何度も春輝から心変わりはしないのかと話しを持ちかけられたけれど、私は「着ない」の一点張りで、これはダメだと思ったのか春輝は何も言わなくなった。