好きになってくれない人へ。
「先が思いやられるな……」
しかも、クラスの出し物の準備と同時進行でやらなきゃいけない。
「間に合うか心配だな、先輩」
「……でもやらなきゃダメでしょ」
校長の話しでは、かなりの人がこの展示会に来ると言っていた。
これからも写真に関わっていくのならば、妥協なんて許されない。
「進路に関わってくるかもしれないしね」
「進路か……」
「そう。私もそろそろ真面目に考えなきゃな」
「……先輩は」
「ん?」
「先輩は、卒業後の進路とか考えてるの?」
真面目な顔つきで質問してきた春輝。
「……ま、それなりにね」
「そっか……」
「高校生活なんてあっという間だからね」