好きになってくれない人へ。
「もう時間だから、帰ろっか」
早く、ケリをつけないと。
春輝の顔を見る事が出来ないまま、私は部室を後にした。
★★★★★
文化祭の準備が始まって2週間が過ぎた。
クラスの方は着々と進み、形になってきたと思う。
そして今日は、メニューの試作品を作る日だ。
文化祭実行委員の蓮と、味見係を何人か引き連れて調理室に向かう途中、執事の服を来た春輝とメイドさんの服を来た1人の女の子を見かけた。
「ん? あれって双海だよな」
「そうかも」
蓮も春輝の存在に気づいたのか、声をかけてきた。
「あ、知ってるか? 双海のクラスってメイドと執事の喫茶店をやるらしいんだとよ」
「へー、そうなんだ」