好きになってくれない人へ。
この間、春輝に何をするのか聞いても秘密としか答えなくて不思議に思っていたけれど、あの格好をするんだったら、私に秘密にしたかったのも納得だな。
「双海のヤツ結構似合ってるよな」
「うん、そうだね……あっ!」
「なんだよ、急に」
「いや? なんでも……」
思わず本音がポロッと出てきて動揺した。
あの格好を私に見られて、からかわれると思ったのかな。
蓮の言う通り凄く似合ってるな。
それにしても、あのメイド服を着ている女の子は春輝と同じクラスメイトなのかな?
私よりも小柄で、可愛らしくて、守りたくなるような女の子。
“お似合いだな”ふと、思ってしまった。
「桜来? どうしたんだよ、急に黙って」
「え!? あ、いや。何でもないよ」