好きになってくれない人へ。

ライバル宣言

被服室では、死にかけの茉心が衣装作りの作業に没頭していた。


「ま、茉心? 少し休憩しない?」
「……桜来?」
「ほら、甘い物持ってきたよ」


試作品のパンケーキを茉心に渡すと、ガチガチに強ばっていた表情を緩め、今にも泣き出しそまいそうだった。


「終わらないよ〜〜〜〜!!!」
「そ、そうだよね」


パンケーキを食べながら私に愚痴をこぼす茉心の精神状態はかなりギリギリで、作業に対する愚痴や、自分の不器用さを呪った言葉を永遠に聞かされた。
手伝ってあげたいのは山々だけど、写真部の展示会の準備もしなきゃいけない私はスケジュール的に厳しい。
それ以上に、自他ともに認める不器用で、私が手伝ったところで茉心の邪魔になるだけ。
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