好きになってくれない人へ。
そんな事、分かっているんだけどな。
もう、あの時みたいに蓮の二の舞いになるのだけは嫌だ。


「……ちょっと外の空気吸ってくるね」
「うん、行ってらっしゃい」


私はカメラを手に取り、被服室から出た。


私は、春輝の事が好き。
好きだからこそ、怖い。
春輝と離れるのが怖い。
もし、春輝と付き合って、愛想をつかれてしまったら、私は多分立ち直れない。
こんな事を思うほど、私は春輝を好きになっていた。


「どんだけ好きなんだよ……」


春輝は、言葉にすれば楽になれるよって私に教えてくれた。


「すき、すき……好き」


私は、春輝の事が好き。


「私は、あなたの事が……好きです」


春輝の事が好き。


「……大好き」
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