好きになってくれない人へ。
30分以上の時間をかけてメイクを終わらせ、長くなった髪を巻き始めた。
その様子を見ていた茉心は口を開いた。


「やっぱり桜来は長い髪が似合うね」
「私も同じ事思った」


髪を巻き終え、クリームを付けてようやく終わった。
鏡に映るのは数ヶ月前の私。


「おかしくない、かな?」
「全然! 可愛いよ!」


茉心に確認を取ると、満面な笑みを返された。
茉心が言うなら大丈夫かな……。
女の子で占領されていた教室がようやく解放され、待ちくたびれた男の子達が教室に入るなり、180度変わった私の姿を見て目を丸くさせて驚いた。


「さ、桜来……どうしたんだよ、それ」
「気分転換よ」


蓮ももちろん驚いていた。
< 146 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop