好きになってくれない人へ。
いやいや、そんな即答しなくても。
「当たり前だろ?」と言わんばかりの態度の蓮に口ごもると、その様子を見ていたパートのおばさんにクスクスと笑われた。
「私もお嬢ちゃんなら優勝できると思うよ」
「ちょ、やめてくださいよ……」
私は見えない所で蓮をこずいた。
「痛った! 何すんだよ!」
「恥ずかしいからやめてよ!」
「いやいや、俺はかなり真面目だって」
バカなんじゃないの?
さっさと会計を済ませ、買った商品を蓮と一緒に袋に入れていると、蓮に話しかけられた。
「お前が何に自信が無いのか知らないけど、お前なら大丈夫だよ」
「……何それ」
「ばーか。何年間お前の幼なじみやってると思ってんだよ」