好きになってくれない人へ。

蓮にガシガシと頭を撫でられ、更に念を押すように「大丈夫だよ」と言われた。


「先生も待ってるし帰るか」
「………うん、ありがとう」
「どーいたしまして」


荷物をまとめ、帰ろうとした時後ろから聞き覚えのある声がした。


「……もしかして、藤妻先輩、ですか?」
「え……」


後ろを振り向くと、この間私にライバル宣言をしてきた伊井田さんがいた。


「伊井田、さん?」
「先輩方も買い出しに来てたんですか」
「そうだけど……」


私と伊井田さんの間に流れる不穏な空気に気づいたのか、蓮が私達の間に割って入った。


「1年も買い出しなんて大変だな。どう? 初めての文化祭は」
「喜多実先輩じゃないですか。そうですね、中学の文化祭とは比べ物にならないですね」
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