好きになってくれない人へ。
「んー、まぁな。コンビニ寄ったら見つけて」
「……ありがとう」
「どーいたしまして」


それから2人でケーキを黙々と食べ始めた。
すると、何かを思い出したかのように蓮が話をふってきた。


「そうだ! 屋上で俺の事見てたろ!」
「えっ……な、なんで知って!」
「んー? お前って何かあるといつも屋上に逃げ込むだろ? だからワンちゃんいないかなって思って探してたら見つけてさ」
「……全部お見通しなんだ」
「当たり前だろ? 何年間一緒にいると思ってんだよ」


うるさい。
静かにしろ、私の心臓。
これは、いつもの事で蓮の行動に“特別”っていう意味なんて持ち合わせていない。


「応援行かないって言ってたからちょっとビックリしたけど、どうせなら近くで応援してくれればいいのにって茉心ちゃんと話しててさ」
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