好きになってくれない人へ。
「そんな事私が知りたい」


春輝は人の感情や思っている事、考えている事を読むのが得意だ。
私が何年間も密かに抱いていた恋心を言い当てたのも春輝だけ。
年下の後輩にも関わらず、こうしてたまに相談に乗ってもらっていた。


「で? どうするの? ドタキャンする?」
「えーーー」
「えーーじゃないでしょ。先輩、自分の首絞めてるの理解してる?」
「……してます」
「好きな人と一緒に買い物に行ってるのに、その目的が他人の為とか、俺なら発狂する」
「おっしゃる通りです」


春輝はこんな私に呆れたのかため息が止まらなかった。


「そんな事しちゃうと、もう応援する事に専念しますって言ってるようなもんなんだよ?」
< 23 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop