好きになってくれない人へ。
春輝の言う通りだ。
私は蓮が好きなのに、私がしている事は第三者がする事。


「……先輩はどうしたいの?」
「私は……」


春輝に答えを聞かれた時、放送のチャイムが流れた。


『1年3組、双海春輝。2年6組、藤妻桜来。今すぐ職員室に来なさい』


その声の主は先生の中でも一二を争うと言われている怖い先生で、かなりご立腹のようだった。


「あーあ。バレちゃったか」
「そりゃそうでしょ。ここまで授業サボる馬鹿なんでこの学校にはいないよ」


自称進学校と謳っているうちの学校は、真面目な子が多い。
授業をサボるのは以ての外で、私と春輝がこの学校で異質な存在。


「だって、授業とか面倒臭いじゃん?」
「それは、言えてるけど」
< 24 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop