好きになってくれない人へ。
周りからどんな関係に見られているのか気づいていない蓮は種類の違うスカートを何着か手に取り戻って来た。


「これ、桜来にすげー似合いそうだなって思ったんだ」
「…………………」
「桜来?」


何も知らない蓮。
今、周りの人達から恋人だと思われてるんだよ?


「……アンタが真剣に私に似合う服を選ぶから恋人ですか?って聞かれちゃった」
「そうなのか?」
「うん。お似合いですね、だって」
「お似合いかぁ……」


何かを考え込む蓮。
多分、この先の言葉を言ってしまえば確実に私が傷つく。
それくらい、分かってるでしょう?
蓮が好きなのは茉心で、私じゃない。


「……私達が、もし付き合ってたらお似合いカップルって色んな人から、言われるんだろうね」
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