好きになってくれない人へ。
「……………」


最初は意地悪でもしてやろうかなと思っていたけれど、春輝が何度も助けを求めてくるので仕方なく女の子と春輝の間に割って入った。


「彼に何か用ですか?」
「えっ……」


冷えきった声で圧をかけると女の子達はそそくさと春輝の前から姿を消した。


「もう少し早く助けてくれてもいいじゃん」
「いや、何か楽しかったから」
「本当に先輩いい性格してるよね?」


春輝は洋服にさっきの女の子達が付けてた香水の匂いが移ったのを感じると顔を顰めた。


「うわ、最悪。匂い移った」
「香水?」
「そう。あの人達香水付けすぎなんだよ」


何度も服を叩いても中々匂いが取れないのか春輝は諦めた様子で服を叩くのをやめた。
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