好きになってくれない人へ。
「やんわりと告白してみたら、お前は幼なじみで妹で、姉でって断られた」
「えっ!? 告白したの!?」
「いや、告白っていうより、私達がもし付き合ってたらお似合いカップルになれたよね?って感じで」
まさか私が蓮に軽く気持ちを伝えていたとは思ってもいなかった春輝は驚きを隠せず、ケーキを食べる手が止まった。
「……てか、それ告白に入る?」
「私は少しだけそのつもりで言ってみたけど、多分当の本人は気づいてない」
「あー、喜多実先輩めっちゃ鈍感そうだからね」
春輝は、蓮が普段どんな感じで私と接しているか思い出したのか、少しだけ苦笑いを浮かべた。
「確かに、あんな感じに甘やかされたら誰でも好きになっちゃうか」
「そうなの。本当に蓮は酷い人だよ」