好きになってくれない人へ。


まだ照れているのか、顔が赤い春輝。
いつも余裕そうな表情の春輝が、なかなか見せない表情をするもんだから、思わず携帯のカメラでその姿をとらえた。


「ちょっ、なに撮ってるんですか!」
「んー? いい顔してたよ?」


写真の確認をすると、赤面春輝がバッチリと残っていた。


「いやー、モデルがいいと撮りがいがあるね」
「いやいや、消してくださいよ」
「えー、嫌だよ。もったいない」


撮った写真を見せると春輝は目を丸くした。


「やっぱり先輩は凄いですね」
「え? なにが?」
「いや、こっちの話しです」
「そう? あ、今度のコンテストこの写真使おうかな」
「は!? さすがにそれは怒りますよ?」
「いやいや、冗談だって」
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