好きになってくれない人へ。
春輝は少しへそを曲げたようで、黙って黙々と残りのケーキを食べ始めた。
「ね、今度さ息抜きでモデルやってよ」
「えー、何で俺が」
「いいじゃん、楽しそうだから」
すると春輝は少しだけ考え込み、重くなった口をようやく開き、「いいですよ」と承諾した。
ケーキを食べ終えた私達は写真のアイデアが浮かびそうな公園や人が集まるテーマパークに行き、デートを楽しんだ。
テーマパークでひとしきりに遊び、辺りが暗くなり始めると春輝が観覧車に乗りたいと言い出し、私達は観覧車に乗り込んだ。
「どうでした? 俺とのデート」
「楽しかったよ、久々にこんなに笑ったかも」
お互いゴンドラから見える夜景を眺めながら喋りだした。