好きになってくれない人へ。
「別にいいけど」


どうせ、茉心との話しをされるのだろうと思いながら部屋の中に招き入れると、部屋に入ってきた蓮は神妙な表情をしていた。


「どうしたの?」
「……なぁ、桜来ってさあの1年の双海春輝と付き合ってんのか?」


しばらくの間を開け、ようやく返ってきた返事は思いもよらないものだった。

「え………」
「いや、部屋から見えちゃって。お前が双海と一緒にいるところ」
「そ、そう……」
「もし付き合ってたら、すっげーお似合いだなって思ってさ!」
「は……?」


無邪気な笑顔の蓮。
そんな笑顔を見せつけられ、私の中にある何かがピシピシとヒビが入る音が響いた。


「いやさ、今日茉心ちゃんから告白されて! 俺達、付き合う事になったんだけどさ」
「そ、そうなんだ」
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