好きになってくれない人へ。

蓮が茉心に告白されたと報告を受けた事。
それをおめでとうと言えなかった事。
苦しかった事、悲しかった事、辛かった事全てを吐き出し、最後に私が蓮を押し倒してキスした事を言った。


「え、先輩……喜多実先輩とキスしたの?」
「………ほんとに、何考えてるんだろうね、私」


もう、あの頃には戻れない。
私が全てを台無しにした。
こうなる事を1番恐れていたのに、壊してしまった。

ため息をつくと、春輝は立ち上がり「何か飲み物を買ってきます」と言った。


「先輩は何が飲みたいですか?」
「え、じゃコーヒー」
「分かりました、少し待っててください」


そして春輝は静かに部室から出て行った。
静かになった部室。
< 67 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop