好きになってくれない人へ。
まるで誰もいなくなった世界に取り残されたような気分だ。


「………早く帰ってこないかな」


今は1人でいるのが寂し。



いつの間にか眠っていたのか、目が覚めるとコンビニ限定のお菓子を食べながらスマホをいじる春輝の姿が見えた。


「私、寝てたんだ」
「あれだけ泣けば疲れて眠くなりますよ」


春輝からキンキンに冷えた缶コーヒーを渡された。


「明日多分目が腫れると思うので、これでも当ててください」
「あ、ありがとう」
「どういたしまして。先輩、何か食べますか?」

机の上には惣菜やパン、お菓子、肉まんなどが乱雑に広げられ何かのパーティー状態だった。


「ヤケ食い、付き合いますよ」


春輝から肉まんを押し付けられ、それを私は口いっぱいに頬張った。
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