好きになってくれない人へ。
「一瞬誰か分からなくて声かけられなかったよ。でも喜多実君がいたから……」
そう言った茉心は離れてしまった蓮の後ろ姿を寂しそうに見つめた。
「何か、まずいことしちゃったかな?」
「……茉心は何もしてないよ。蓮呼ぶ?」
「いやっ! いいよ! 喜多実君に悪いし」
茉心は短いため息をつき、私に向き直った。
「それよりどうしたの? こんなに髪短くして」
「うーん、イメチェン?」
茉心にも蓮と同じ“イメチェン”を理由にした。
「私、桜来の長い髪好きだったのにな」
「そうなの? でも髪なんて伸びるし」
私も、私の髪が好きだった。
「でも時間かかるでしょ?」
残念がる茉心。
そう。
髪を伸ばすのには時間がかかる。
そう言った茉心は離れてしまった蓮の後ろ姿を寂しそうに見つめた。
「何か、まずいことしちゃったかな?」
「……茉心は何もしてないよ。蓮呼ぶ?」
「いやっ! いいよ! 喜多実君に悪いし」
茉心は短いため息をつき、私に向き直った。
「それよりどうしたの? こんなに髪短くして」
「うーん、イメチェン?」
茉心にも蓮と同じ“イメチェン”を理由にした。
「私、桜来の長い髪好きだったのにな」
「そうなの? でも髪なんて伸びるし」
私も、私の髪が好きだった。
「でも時間かかるでしょ?」
残念がる茉心。
そう。
髪を伸ばすのには時間がかかる。