好きになってくれない人へ。
それに手入れもかなり大変。
大事に育てた髪をバッサリ切っちゃうなんて私も凄い事をしたものだ。


「でも、桜来の短い髪も好き!」


茉心の無邪気な笑顔を向けられると胸が締め付けられて苦しくなる。

ショートヘアの似合う茉心は、蓮が好きなタイプのど真ん中の子。
しかも可愛いと綺麗を合わせた、女の子なら1度でも憧れる顔立ちをしている。
あの蓮が好きにならない訳がない。
ついさっき、蓮は茉心と関わりを持った事がないからと嘆いていたが、人が人を好きになるには、直接的な接点なんて必要ない。
ふとした小さなきっかけだけで人は簡単に恋に落ちる。


「喜多実君、今日も部活なのかな?」
「えーと、確か今日は放課後に他校と練習試合があるって言ってた気がする」
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