好きになってくれない人へ。
確かにあの若い女の先生は、目星をつけた生徒に対して過剰にボディータッチとかするって聞いた気がする。
「確かに、ああいう女の人苦手そうだもんね」
「そ。香水臭くて鼻がもげる」
「てか、さっきから何に悩んでるの?」
春輝の悩みのタネを聞こうとしたら、逆に「何言ってるの?」という顔をされた。
「え、先輩って話し聞いてないの?」
「……なんの事?」
すると春輝は何かを察したのか、ため息をつきながら今の状況を説明してくれた。
「あのね、今度の体育祭あるでしょ? 今年の写真部は有能な人が揃ってるからっていう事で今度の校内広報誌の写真撮りは俺達に任せようって話しが出てて」
「えっ……」