好きになってくれない人へ。

「以上でペアの発表を終える。後はお前達で話し合え」


先生がそう言うと、選ばれたペアどうしで話し合いを始めた。
ま、まさか。
蓮とはあれ以来本当に一言も会話をしていない。
決心をして来たというのに、いざこの時が来るとどうしたらいいのか分からなくなる。

すると蓮が自分の椅子と筆記用具を持って私の席まで来た。


「よ、よう。久しぶり……だな」
「あ、うん。久しぶり」
「……………」
「……………」


お互い無言の時間が続く。
この時間に耐えられなくなった蓮が先に口を開いた。


「なっ、何かいつも一緒にいたから変な気分だな」
「………そうだね」


いつもと違う、よそよそしい態度。
分かってた。
こうなる事ぐらい。
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