好きになってくれない人へ。
「なにが?」
「何がって、モデルの事だよ」


ほんの少しだけ、信じられないと言いたげな表情をする春輝。
でも、今の私にとってあの2人ほど適任なモデルはいないと思う。


「いいんだよ。それに、写真だっていい感じに撮れたし」


撮れた写真を春輝に見せると、目を見開きその写真にくぎ付けになった。


「やっぱ、先輩は凄いですね」
「でしょ? 凄く幸せそう」


この表情を見ると、自然と「あぁ、これで良かったんだ」と思える。


「この前さ、春輝に蓮とどういう関係になりたいんだ?って聞かれたじゃん」
「あぁ、そんな事言いましたね」
「私ね、何も思いつかなかったの」
「えっ……」


蓮となりたい関係をずっと考え続けていたけれど、私は何も思い浮かばなかった。
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