好きになってくれない人へ。
あぁ、何だか嫌な予感がする。
「藤妻さんさ、喜多実君の次は1年生の双海君を狙ってるの?」
「次から次へとなんなの!? 顔が良いからって調子乗らないでくれる?」
「それに、双海君は皆のものだから! 独り占めしようだなんて考えないでもらえる!?」
反論する暇もなく好き放題言われ続け、呆れていると異変を感じた蓮と茉心が私のもとにやって来た。
「桜来ー! そろそろ集合だって!」
「え、あ。そうなの?」
「うん! ご褒美に先生が何かくれるらしいよ?」
「……で、桜来に何か用?」
女の子達に睨みつける蓮。
温厚で、優しいと評判の蓮が初めて見せる表情にたじろぐ女の子達は私を睨みつけた後自分のクラスメイト達がいる所に戻って行った。