灰色メメント
第1章、2分の2ニンゲン

愛し合う結合双生児の剥製

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「今日は天気がよろしいですよ、外に出てみては?」



店に響いた声の主は、レイのもの。



この青年はこの店で働く、店主の執事。



少し長い髪から覗く黄色い左の瞳を光らせて、歌うように言葉を並べた。



「僕はこの店が好きなんです。レイが行ってきたらどうでしょう?」


そう答えた少年こそ、この店の店主だ。




「私が店を出てしまっては、皆を驚かせてしまうでしょうから。遠慮しておきます」






レイは、幽霊の少年だ。迂闊に店を出ることは出来ない。





「それもそうでしょうか」





店主は少し微笑み、お茶を啜った。





その時、滅多に開くことのない店の表扉が開く。





「あら、いらっしゃいませ」




レイが扉に向かって言う。





その扉から、2つの頭が覗く。



その顔は瓜二つ、そっくりだった。



「「こんにちは」」




2つの頭が同じ声で挨拶をする。





店主とレイは、扉の奥から出てきた影に、一瞬声を失ってしまった。






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