【完】爽斗くんのいじわるなところ。
爽斗くんと恋愛の話なんて
知るのが怖くてできなかった。
それに爽斗くんが
恋愛に興味があるとも
思っていなくて。
……爽斗くんにもしも好きな子がいたら。
そう思ったら、
心が鉛みたいに重たくなってくる。
「莉愛ちゃんは、正直サヤのこと気になるんだよね?」
「……え、う、……ん。どうだろう……」
言葉を濁して、飲み物を飲み込む。
優心くんはそれ以上聞き出す様子はなく、
「まぁ、そっかー」
と、ぽつりと言ってから、
ふっと笑ったんだ。
「莉愛ちゃんってサヤに依存してるとこあるから、好きって勘違いしてるのかなって思ったけど。
それは恋じゃないってちゃんとわかってる?」
「……依存?」
「うん。莉愛ちゃんの世界はまるでサヤがいないとまわらないみたいに感じてるでしょ?そういうの依存っていうの」
優心くんは微笑みながら、
のんびりとストローで
コーラをかき混ぜた。
泡がくるくるとのぼって弾ける。