【完】爽斗くんのいじわるなところ。
でも爽斗くんの……どこに?


昔乗ったとき、どこに掴まってたっけ。


思い出した、お腹のところだ。


ドキドキしながら、震える手を伸ばした。


かぁーっと頬が熱くなっていく。


そっと制服に触れたとき、視線を感じて、顔を上げたら。



見慣れたはずの爽斗くんの顔が。


綺麗なかたちのアーモンドアイが。


薄ピンクの口元が。


——いじわるく、愉しそうに歪む。



「ねー……なんで照れてんの?」



ドク、と大きく心臓が跳ねた。


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