【完】爽斗くんのいじわるなところ。
すると、爽斗くんは当たり前みたいにうちの玄関にはいり、バタンとドアを閉めた。
玄関の暖色の灯りの下で
不機嫌な顔があたしに向いてる。
「カーテンしめて、優心となにしてた?」
腹立たしそうに、あたしを見下ろす彼。
優心くんの穏やかさと真逆のとんでもない威圧感。
……どうしよう。
昨日のこと、すっごく怒ってる……。
早く謝らないと。
でも、謝罪の一言が詰まってしまうほど
緊張と恐怖に支配されたあたしは。
「え……と、」
蒼ざめながら一歩下がて、そっと爽斗くんを下からみれば、
黒髪の下、怒気を帯びた切れ長の瞳があたしを捉えていて……。