【完】爽斗くんのいじわるなところ。
そんなの、
どきどきして仕方ないからだよ……っ。




逃げるように
背中に顔をうずめて、


ぎゅ、っと爽斗くんの体にしがみついて
真っ暗な視界を作って、


いっぱいいっぱいで謝る。


「ご……っ、ごめんね……!」


「……そんなくっつかれたら邪魔で邪魔でしかたないんだけど」



「ごめんっ!」


背中から顔を離して、
必死で謝罪しているうちに、
自転車が進んだ。



……ふぅ。ドキドキする。


熱くて仕方なかった頬を、
春の風が冷ましてくれる。

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