【完】爽斗くんのいじわるなところ。
ふたりきりの時間
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爽斗くんと二人きりでどこかに行くなんて
小学生ぶりだ。
ついに、遊園地にいく前々日。金曜日の今日。
たびたび緊張に襲われるあたしを見て、
変に思った仁胡ちゃんに聞き出されるまま
デートのことを伝えたら、
着ていく服やデートのやり方などなど、
アドバイスをいっぱいくれた。
「とにかく爽斗くんを退屈させないようにしないと……」
タイトルに”会話術”とつく本を数冊抱えていると、
仁胡ちゃんに苦笑いされてしまった。
「幼馴染なのに、そんな気を張る必要あるの?」
「うーん……」
だって、あたしが相当頑張らないと
爽斗くんは楽しくないと思うから……。
「その気合の入れ方、莉愛ちんって爽斗くんのこと好きなの?」
「……ううん、そういうのじゃ……」
「へー。じゃあ好きな人は、いる?」
「……うん」
「それが爽斗くん?」
「……! また同じ質問」
「あはは、ひっかからなかったかー。まあいいけど、そんな緊張しなくても大丈夫だって!」
「なになにー。なんの話?」
授業が始まる前に優心くんが席に戻ってきて、
話に加わった。