【完】爽斗くんのいじわるなところ。
……って!
いつの間にか繋いでたはずの手が離れてる……。
ショックで片手を見つめていたら。
「……手がどーかした?」
その声にハッとして、後ろに手を隠したけど。
いじわるく片側の口角をあげる爽斗くん。
「言ってみなよ?」
この表情はもしかして。
あたしの心を見透かしている……かも。
いや、ぜったいに見透かされてる。
あたしたちはだてに幼馴染じゃない。
こうなれば正直に言うしか
あたしに選択肢はないんだ。
「手、もう一回繋いでもいい……?」
勇気をだして、弱弱しい声ながら伝えると、
爽斗くんは「ぜったい嫌ー」と、鼻で笑った。