【完】爽斗くんのいじわるなところ。

さらりと聞こえた声に、
思わず目を見開いた。



……す、


き……!?



いや違う。


そういう意味じゃない。


なのにあたしの顔はどんどん熱くなっていく。



こんなの絶対馬鹿にされちゃう……。
おさまって、あたしのほっぺ……!



あたしは幼馴染だからわかる。


今きっと、爽斗くんは吹き出しそうになるのを堪えてる。
そして嗤うんだと思う。



恐る恐る爽斗くんの顔を下から覗くと


爽斗くんの頬も少し赤くてびっくりした。



「……なんか言えば、バカ」


そう小突かれたから、


「えと、爽斗くんの頬、なんで赤いの?」


思ったことを口にしてしまった。


「はぁ? ほんとうざいんだけど……」



ふいっとそっぽ向く横顔は、
いまだ赤らんで、恥ずかしそうで……。



「爽斗くん……?」


「……こっち見んな」



こんな爽斗くんを見たら
鼓動がどんどん速まってしまう。


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