【完】爽斗くんのいじわるなところ。

ひさしぶりのデート





電車を乗り継ぎ、
たどり着いた遊園地。



「ねー、こんなんでビビりすぎじゃない?」


「だ、だって、すごいスピードで落ちたんだよ……?」


比較的すいていたジェットコースターを降りた後
あたしの足は震えっぱなしだ。


「てか莉愛って遠足とかでここに来ても、絶叫はあんま乗ってなかったよね」


「あ、うん……」


「じゃあなんで遊園地に来たがんの」


呆れ笑いされて、
確かに、って思った。


だって5秒(正確には30秒くらい)で
思いついたのが遊園地だったんだもん……。



実はあたし、絶叫系は苦手。
だから遠足では基本的に荷物もちをしながら
ジェットコースター見学をしていた。



……あれ?


ここに来た時って
爽斗くんとはクラスも違ったし
会わなかったような気がするんだけど。



「なんで絶叫系に乗らなかったこと知ってるの?」


「それは……幼馴染だからじゃない?」


「あ、そっか」


「なに納得してんの」


「簡単だね」って呆れ笑いがあたしに向いている。


< 135 / 388 >

この作品をシェア

pagetop