【完】爽斗くんのいじわるなところ。

「……! じゃああたしが苦手なこと知っててジェットコースターに誘ったの……?」


「苦手なもんはやっぱ克服させてあげたいじゃん」


「そんな楽しそうに言うなんてひどい……」



あたし、心臓止まるかとおもったのに……。
意地悪……。



「だってさ、——」


ふわっと風が吹き渡って爽斗くんの黒髪が揺れる。


遠くを見て目を細める彼は、



「――……俺が隣に居れば、お前乗れそうじゃん?」




口角を上げて、あたしを見る彼に
きゅんっ、とした。



確かにジェットコースターは怖かったけど、
爽斗くんにしがみついてたら
安心できたかも。



「……うん」



はにかんでしまったあたしを
爽斗くんはふっとわらう。




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