【完】爽斗くんのいじわるなところ。
爽斗くんはちらりと優心くんに目をむけて。
「つーか人のデートについてくるとか暇なの? すげー悪趣味だよね」
鬱陶しそうに眉根をよせているけど……。
「そんな言い方しないで……。優心くんは心配してくれたんだよ……! あたしが、相談したから」
だから、そんなふうに睨まなくても……。
そう言ったら今度はあたしに鋭い視線が向いて、ぎくりとした。
「相談……?」
「……ごめ、ん」
「はぁ……、お前まじで鬱陶しいね」
「……!」
優心くんに相談したことって嫌だったのかな。
そっか……!
あたしなんかとデートなんてはずかしいに決まってる……。
どうしてわからなかったんだろう、あたしの馬鹿……。
「本当にごめんね」
「……。早く弁当んとこ行くぞ。じゃーね優心、さっさと帰んなよ」
「ひっどー」
優心くんを振り返ると困ったように笑いながら手を振っていた。
「莉愛ちゃん、泣かされたらすぐ呼んでね~」
隣から、すごい舌打ちが聞こえて
一気に緊張がはしる。
ちょっと爽斗くんが不機嫌すぎる……かも。