【完】爽斗くんのいじわるなところ。
「どんだけ恥ずかしがってんの?」
「だ、だって!」
「お前、余裕なさ過ぎて笑えるんだけど」
ふっと、鼻で笑った爽斗くんは
前を向きなおして、自転車をこぎ始めた。
あたしは、爽斗くんのこと好きだから
こんなふうに、真っ赤になっちゃうし
地味で、
お洒落したらピエロになっちゃうような
駄目な子だけど。
言われた通り、爽斗くんしか見ないし、
他人の目は、気にしなようにするから。
「こんなあたしでも……ずっと、友達でいてくれる?」
緊張しながら聞いた震え声に、
爽斗くんは言った。
「……んー、ぜったい嫌かな」
「……! どうして……っ?」
「自分で考えたら?つーか俺達ってそもそも友達なの?」
「……っ!!」
……友達でもないの……?
じゃあ、あたしたちって、なに?
ただの隣人……、って、
爽斗くんは思ってるの?
目の奥が熱くなっていく。
大切に思ってるのは
あたしだけ……?