【完】爽斗くんのいじわるなところ。

隣の席から目を向けて、優心くんはあたしに問う。



「てかね、恋人ができるきっかけでよくあるパターンがあるんだけど、知ってる?」


「恋人ができるきっかけ?」


首を傾げると、ゆうしんくんはにっと口角を上げていった。



「正解は恋愛相談。相談してるうちに、いつの間にか相談してた相手を好きになっちゃうみたいなことってよくあるんだって」


「へぇ……」



優心くんは詳しく教えてくれた。




「だから、俺は莉愛ちゃんに恋愛相談にのるよって言ったんだよ。優しいわけじゃなくてずるいの」



にっこりと笑う彼の視線がまっすぐとあたしに届く。



「そうなんだ……」


なにがずるいんだろう?



「んー……莉愛ちゃん?」


「なに?」


「……」


優心くんは一度おどろいたように目を見開いてから、
ぷっと噴き出して堪えられないように肩を震わせた。



「莉愛ちゃんの鈍感!」


「え!?」


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