【完】爽斗くんのいじわるなところ。
爽斗くんはいつも以上にかなりのスパルタだった。


勉強を1時間もしたらへとへとだ。



「ちょっと……休憩したい。ベランダで星でも……みませんか……」


目が回りそうなあたしは、本気で夜空の癒しを求めて言ったのに。


「ひとりで見れば」


……つめたい。


「うん、じゃあ……はい。行ってくるね」


一緒に星、見たかったのにな。



ベランダに出てサンダルを履き替えて見上げた夜空。


そこに光なんてひとつもなくて、代わりに風に乗って雨が吹き込んできた。



あ、……雨なんて。


……ショック。


がっくりと肩を落とし、部屋に出戻って。



「雨だったぁ……」


と報告したら、当たり前の口調で返された。



「うん知ってる」


「……! 言ってくれたらいいのに」



いじわる……。


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