【完】爽斗くんのいじわるなところ。



テストも終わって、『爽斗くんのおかげで10倍も点数とれたの……!』


とはしゃぐ莉愛は無事40点という底辺な点数をとってご機嫌だった。


こっちは少なからず莉愛と優心のことで落ち着かないって言うのに、なんなの。


だから放課後、偶然廊下で見つけたこの能天気女に言ってみた。



「莉愛の40点のお祝いに、パフェ奢られてあげようか」


「……っ、いいの?」


奢らされてるのに喜ぶってどんだけだよ。


いつもよりテンション高いのって、テスト明けだからってだけじゃないよな。
やっぱりそれって、恋したせい?



「じゃ、じゃああたし……すぐに荷物持ってくるね!」


小さい背中が大慌てで自分の教室に戻っていった。


「はー……」


小さくため息をついたとき。
ちょうどうちのクラスから出てきた樋口って男子が、俺の名前を呼んだ。


「さーやとー」

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