【完】爽斗くんのいじわるなところ。
「俺が行くから莉愛はそこに居て。お前がいってもどうせ見間違えたりろくなことないから」
「う……、ごめん」
人混みをかき分け、前に進んでは、
後ろを振り返って莉愛を確認する。
うん大丈夫、そこにいるね。
そうやって進んでいるうちに、
なぜか女子にガシっと腕を掴まれて、
ぎょっとしながら立ち止まった。
茶髪のボブの子。
こんな知り合いいたっけ?
と一瞬考えているうちに、
「……っ、イケメンだ‼」
「は?」
「名前は!? てかどこ中出身?!」
「道森東……」
なにメモろうとしてんの?
そのメモどっから出した?
「……、急いでるんで」
「あっ、まってー!」
待たない。興味ない。うざい。
高校ってすごいね。
こんなことあんの。
ずいずいと前に進んで
ようやく、文字が見える位置まで来られた。
1-2 雪本爽斗
1-3 藤光莉愛
……え?
もう一度見る。1-2と1-3。
はぁー……?
なにこのクラス分け。センスなさすぎて疑うんだけど。